甘ったるい彼等【短編集】(雪男) (ページ11)

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you side

エレベーターの時間すら惜しくて
意味がないと分かっていながらボタンを何度も押してしまう
あぁ、こーゆーガサツなとこ直そうと思っていたのに…

酔いが醒めたと思っていたけど、頭に血が上ったからか
タクシーに揺られている間にまた意識がふわつきだしていた。

急いで家に入ると、いつも通りスマートにお世話してくれる涼太

安心して苛立っていた心が落ち着くと、次は酔いだけが残って
行動全てを考えられなくなった。

.
.

　

『お、起きましたかお姫様』

「ぁ、え…？」

『気持ち悪いとかない？』

「うん、、それは、全然大丈夫…」

『なんでって顔してる(笑)』

「え、お風呂入った？」

『入りましたよーお姫様』

気がついたら全身いい匂いで、パジャマ姿で、ベッドの上で
涼太が隣で優しく見つめながら私の髪をすいていて

でも、、ここに至る記憶が一片も無くて慌てる。

『お風呂入るー！とか言うから焦ったよ』

「ぇ、、もしかして一緒に？」

『もしかしなくても
　あんなふわふわな子一人では入れてあげられません』

『溺れます』と怒られて「はい、ごめんなさい」と言うしかない

今まで、恥ずかしいし新鮮味とか色々失いたくなくて
一緒になんて入ったことなかったのに、酔いにまかせて
しかも記憶に無いだなんて最悪すぎる…

『けどたまにはいいね
　お酒に呑まれてふにゃふにゃなA
　めっちゃ素直で甘えたさんだったよ』

耳元でそう囁かれ、恥ずかしくて爆発するんじゃないかと思った

『大丈夫どんなAも愛しいよ』と優しく笑う涼太は
やっぱり世界で一番の旦那様だと思う。

Fin.