甘ったるい彼等【短編集】(雪男) (ページ12)

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【💗】いちご月ページ12

you side

「牛乳、ないなぁ」

別に一日くらい我慢できるけど、、

ちょっとの間悩んで、やっぱり買いに行こうと腰を上げたのは
最近、お気に入りのシリアルを見つけて朝食を楽しんでいる彼の
顔を思い出したからだった。

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〔3番会計機でお支払お願い致します〕とレジのお姉さんに案内され自動会計機の前に立つと、後ろから私のカゴをひょいっと奪っていくその人

「えっ？」と財布から目を離して振り向けば
『にゃはっ』といつもの笑顔で微笑まれ、驚いて固まってしまう

『ほら、早くーって機械さんが言ってるよ』

[お支払方法をお選びください…]と何度も繰り返す機械を顎で
指しながら、レジ袋にぽいぽいと荷物を詰めていく彼

急いで支払いを済まし、〔ありがとうございました、またお越しくださいませ〕と丁寧に見送ってくれた店員さんに軽く頭を下げ、自動ドアのすぐ側で待つ彼の元へ急いだ。

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「なんでいるの？」

『えへっ、マネの車で帰ってたら見覚えのあるパーカー着た子が
　ぽてぽて歩いてるから、降りてみたらやっぱAだった』

『こんな遅くに一人はよろしくありませんなぁ！』と何やら小言を言いたいようだが、ニヤつく私の耳には一切入ってこない。

『ニヤニヤしてないで、ちゃんと聞いてぇー！』

「だってこんなとこで会えるなんてさぁ」

『嬉しいんだ？Aちゃん嬉しいんだ？？』

「嬉しいよ、さっきだってお店中の人に大介は私のでーす！って
　言って回りたかったもん」

自分で煽ってきたくせに素直に認められてしまうとは思ってなかったようで、目を見開いて耳を赤くする。

そんな反応が面白くて、人がいないことを確認して手を繋ぐと
バッと私を見てさらに赤くなる大介

「公園抜けてく？」と散歩を提案すればとても嬉しそうに笑うから、こちらもつられて笑顔になる。

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