甘ったるい彼等【短編集】(雪男) (ページ15)

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【💜】スキマページ15

辰哉 side

「なぁ、浮気するなら上手くやってな」

『は、へぇ、？』

やっとお互いの部屋の荷物の片付けが済んで、あと数日後には
同棲が始まるという今

あぁ、もっと詳しく言うならウーバーでお互いの好きなものを
調達して食べ終わって、片付けて、お風呂入って、歯磨いて
Aはマッサージを、俺はゲームを嗜んでる最中

動揺して、だっさい音と共に自分の分身が画面から消えてしまったので、一旦セーブしてコントローラーを床に置いた。

「はへぇって何、初めて聞いた(笑)」とケラケラ笑うAは
至っていつも通りで、思い悩んでいる訳では無さそう……？

『ちょっとさぁ、さすがに聞き捨てならないんだけど？』

「んー？」

『信用問題じゃん、ちょっとちょっと近ぉ寄りなさい』

「なんなん悪代官なん？(笑)」とへらへらしながら近寄ってきたAを捕まえて、膝の上へ座らせる。

「なんでここー、隣でええやん」とごねながら膝から逃げようとする姿に、前言撤回いたします。この子、様子おかしいです。

『どーしたのよ？？』

「…別になんにも」

『甘いもん食べる？』

「太るし、いらん」

『俺、なんかした？』

一層強く首を横に振るAに困惑する。

『ねぇ俺バカだから察するとか苦手なの
　でもAが何か不安に思って悲しい気持ちなのは分かるよ
　俺が原因なら今すぐ直したいし、ちゃんと教えて？』

『ね？』と俯くおでこにキスを落とすと
「んー、、」と渋りながらぽつぽつ話し始めた。

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