甘ったるい彼等【短編集】(雪男) (ページ22)

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照 side

俺の好きなスイーツを一緒になって「美味しいねって」頬張って
くれるAがたまらなく可愛くて

華奢だけど、いつまでだって触っていたくなるようなモチモチな身体が俺のツボで

そんなAを守りたくて俺は鍛えてんのに

.

ある日突然

「ひかるー、筋トレコーチしてー」と
苦手な筋トレを率先してやりたがるようになって

「お昼はこんなもんかな…」って
食べるの大好きなくせに味気ない筋肉弁当作って

スイーツに誘っても
「お腹減ってないから…」なんて見え透いた嘘までついて

もう日付が変わろうとしているのに「ランニング行ってくる！」って言うからさすがに抱き留めた。

『ねぇA、何でそんなにしてるの？』

ナニをとは言わず
めちゃくちゃ優しく問えばギクリと音がしそうな動きで振り返る

「ぁーっと、別に、暖かくなったから運動しようかなぁって…」

はい、嘘
左手人差し指で鼻触る癖、気付いてないのに誤魔化せるわけないじゃん。

『なんでそんなにダイエットしてんの？』
「えっ？！」

今度は直接的に聞いてやる
嘘ついたのも良くないけど、そんな無茶俺が許すわけないでしょ

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